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かぐや様は告らせたい 1 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
赤坂 アカ 集英社 2016-03-18
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かぐや様は告らせたい、は赤坂アカ先生によるラブコメマンガ。
赤坂先生のibはかつて読んだことがあったのですが、あちらは最後の方はシリアスとギャグがゴチャゴチャになってしまったのが一つの反省点だったのでしょう。
かぐや様は告らせたいは、ギャグ方面に振り切った作品となっています。
……その割には、1巻の表紙がどうにもシリアスものっぽく見えてしまうのが問題でしょうけど。賭ケグルイみたいな表紙だな。
Contents
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第一巻の感想
二人の天才同士の心理バトル
この物語は、四宮かぐや(シノミヤカグヤ)と白銀御行(シロガネミユキ)という「告白した方が負け」だと思っている二人が、お互いに相手から告白させようと様々な策謀を巡らせていくお話です。
単純に言って、それしかないお話です。
そして、そこが単純明快に面白い。
二人はお互いに、相手が自分を嵌めようとしてきていることに気がついていて、だからこそ相手の作戦を回避しながら自分の作戦に相手を乗せようと必死になっています。
本人達は必死ですが、端から見ればそれはただのギャグです。
そして、この物語は二人の思考をどちらも読者に対して描ききっています。
よって三段論法的に、この物語はめちゃくちゃ面白いギャグマンガと言えるでしょう。あれ? 論理ぶっ飛んでますかね。
毎回毎回、二人は頭を回しに回して相手を罠にかけようとするため、その心理描写は濃く描かれています。単純にそれっぽいエピソードを描いているわけではないため、セリフも文字もいっぱいで、どのお話も退屈せずに読むことができました。「……もう一巻終わりかな」と思ったらまだ半分くらいしか行ってなかったり……って、それは他のマンガがぱらぱらっと読め過ぎちゃうのが問題なのでは……。
心理バトルっていうのは昔から面白いマンガジャンルとして有名ですしね。それとラブコメが合わさると気軽に、そして熱中して読めてしまうから相性が良かったと思います。
脇役の藤原書記も良い味出してる
個人的に結構評価が高いのが、書記の藤原さん。
ほんわかした性格で、かぐやと白銀の心理バトルには気がついていない(のか? ホントにか?)ようですが、中心キャラ二人が真剣になってピリピリしている中で彼女がジョーカー的な役割を果たしているのも事実でした。
場の不確定要素としての彼女の存在は、二人の戦いを面白いものにしてくれていましたね。
そしてかぐや程世間知らずでもないため、友達らしい適度なスキンシップを白銀に見せるところもちょっとおかしい。
正確には、藤原さんが白銀に対して取る行動に対してアタフタしているかぐやが面白かったです。ラブコメしてるな-。
あと、彼女だけ少女マンガの主人公張っててもおかしくないような気がする、絵柄的に。
……これは私の気のせいでしょうか?
オチは気になる
こういうラブコメで気になるのは、その終着点についてです。
このマンガは今のところハーレム展開もないし、かぐやと白銀がくっついて終わりでそれもいいでしょうが、もしかしたら藤原さんや、新登場のキャラクターが二人の関係を壊しにやってくるのかもしれません。
私が気にするのは波風立たない路線だろうが波瀾万丈な路線だろうが、それが面白いかどうか、ですけどね。
まあ、今後とも気になる作品、ということで。
2,3巻の感想
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かぐや様は告らせたい 2 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
赤坂 アカ 集英社 2016-07-19
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デジャヴを感じる冒頭と、だんだんぼろが出てくるかぐや様
2巻買う。
読む。
あー、1巻冒頭と似たような構図で、2巻も始まるのかぁ。と思う。
こんなことやってたなぁ、ははは。と笑う。
あれ? ん? 私、1巻もう一冊買っちゃった? と戸惑い始める。
あれ? あれ?
良かったぁー! ちゃんと2巻買ってたぁー! ってなる。こんなドキドキはいらない。
これは掲載雑誌が変わったことによる仕切り直しらしく、この全体の3%以上をかけた天丼ネタに対するオチはまるでないというのはなんか損した気になるものの、2巻も3巻も面白かったです。
というか、巻を経るごとに「かぐや様は告らせたい」は面白くなっていってる気がします。
まあ赤坂さんはまだ新人だしね。気長に成長を待ってよかった。
そして、2巻ではかぐやの性知識に乏しいという弱点が明らかになる話がかなり印象に残りました。
「初体験」を何か別のものと誤解しているのは初めから想像が付いていましたが、その流れで藤原さんがかなりのとばっちりを食らう所は何度読み返してもおかしくて仕方がありませんでした。あれはもう、最高。
この話を境になんだか、かぐやと藤原さんのパワーバランスが崩壊していくように見えてしまいましたね。いや、もちろん目に見えて変わったわけじゃありませんが、この話の前までは、
かぐや>藤原
みたいな力関係が確固たるものとして存在していたように見えていたのですが、これ以降だんだんと藤原さんが力を増していっているような、そんな印象を受けました。
ゲラゲラ笑うかぐやとかも、まさにそのいい例。
あの話は中盤かなりくだらなかったですけど、かなりお気に入りのお話です。
藤原さんが最高に面白い
私的には、この作品は1巻よりも2巻、3巻とどんどん面白くなっていってる気がしています。
それもこれも藤原さんの暴走っぷりのおかげですね。彼女、本当に困りもの過ぎる……。
2巻の後半、生徒会の3人でゲームをすることになりますが、そこで藤原さんの見せる大立ち回りがメーター振りきりでイラつくものだったのが笑えました。
なんちゃって頭脳戦とかやってる白銀とかぐやの二人よりも藤原さんの方が何倍も怖いですわ-。でも珍しく本気出した彼女より、普段のド天然っぷりの方が更に恐ろしいのは内緒です。
しかしこのゲーム以降、藤原さんの恐ろしさ(ド天然っぷり)がどんどん加速していっているような印象が……。いや、それは気のせいで、本当は私が彼女に注目し始めたせい……?
はっ、これが恋か((違う
人気投票が行われたら、藤原さんが1位になるんじゃないかなぁなんて想像している私です。(ひいき目?)
ちなみに彼女の活躍するエピソードは、白銀との合同特訓回やら保身に走るポケモンGO回やら、全部腹がちぎれるかと思うほど笑いましたね。
……腹がちぎれるっていうのは比喩ですが、実際、近所迷惑を気にするくらいには笑ってしまいました。
関係ないけど早坂視点の藤原さん、かなり怖いですね。
陰キャラ、石上優! あ、違った。新キャラ
今回初登場の会計、石上優。
これまでも仕事だけはしていましたが、その姿は見ることができませんでした。
まあ印象をざっと述べるなら……、
こいつめっちゃ面白いやんけ!
みたいな?
初登場の回はそうでもなかったんですが、部活のエピソードを境に印象が変わりました。
サッカー部の青春エピソードを見て号泣する石上の姿に、もう笑いが止まりませんでしたね。泣き所、そこっ!? 突っ込みどころ、そこっ!? ってな感じに。
そして煩悩に支配され、実際に口からボロボロ出してしまう所も好き。白銀もかぐやも煩悩にはまみれていますが、石上のようにペラペラのほほーんと口に出したりはしませんからね。二人を見てきたからのギャップ笑いみたいなものでしょう。
楽しい。
ついでにテスト回でも、ほとんど出番はありませんでしたが彼の行動は記憶に残りましたねぇ。
いや、まあ、行動は分かりますけどね。私もテスト前にゲームとかしましたし。
藤原さんに並んで、私はこのマンガの脇役が好きですね。
主人公二人がシリアスなボケ、を地で行く二人のため(最近はそうでもないか)、遅れてやってきたド直球な二人の脇役に心奪われつつあります。
まあ、それも主人公二人という地があってのたまものですけどね。
2,3巻も面白かったです。
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かぐや様は告らせたい 3 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
赤坂 アカ 集英社 2016-10-19
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そう言えば、1巻の表紙については言及しましたが、2巻以降は普通のラブコメっぽい表紙になっていますね。
と、思ったのでした。
4巻の感想
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かぐや様は告らせたい 4 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
赤坂 アカ 集英社 2017-01-19
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4巻の表紙のこの子、誰だろう……。
「お兄ぃに女の子から電話!?」
うーん、新キャラで登場しそうな子なんていたかなぁ。
「石上くん、きもー。あはは」
あれ、なんかコレは違う記憶だな。もうちょっと前、前。
「圭ちゃんスカート短すぎね?」
うーん、誰かいた気がするんだけどなぁ。
……思い出せない。制服が違うから同じ学校の子じゃないのか。じゃあ誰かの妹とか、かな。
妹……、妹……。
赤いきつね・緑のたぬき
紺のきつねの事…時々は思い出してください。 pic.twitter.com/uGaDrPz1M0— 保登もみ子@ごちうさ教ココアとマヤは妹♡ (@momiko2) 2017年2月16日
はっ! 思い出した!
白銀圭。白銀会長の妹さんですね。え、ああ、上のツイートは関係ないですよ、はい。(なんか面白いネタを披露しようと思ったけどなんも思いつかなかったので、Twitterで妹と検索して良さげなのを探したとか、そういうのではない)
出番は一瞬でしたが、なんで表紙になれたんでしょうね。
ああ、女子だからですか。(前回の早坂さん同じく)
藤原さん藤原さん
2巻3巻と巻を重ねるごとに面白くなってる印象を受けましたが、4巻は更に期待以上でした。
その理由はもちろん藤原さん。
復活の藤原白銀親子だったり、こそくな神経衰弱回だったり、こんにち殺法だったり、最後の夏休み計画立て回だったり、もう藤原さんなしにこのマンガは語れないと言ってもいいでしょう。
繰り返される特訓回
待ち望んでいた特訓回の再来でした。
もう、ホント好き。
このお話で藤原さんが実は結構な音楽の才能を持っていることなどが明かれ、地味に彼女の優秀さが披露されてはいるんですが、それ以上に白銀のだめっぷりが強調されすぎていてそれどころじゃありませんでした。
というか、白銀の特訓に付き合う決意をした後の藤原さんの絶望っぷりがもう、だめ。
電子書籍で発売されたあとすぐに読んだのですが、夜中だって言うのに笑いが止まりませんでした。近所迷惑だなぁ。
このシリーズ、さすがに5巻に続きを入れるのは難しいかもしれませんが、個人的にはどんどん続けていって欲しいですね。
神経衰弱。そして死!
この回の藤原さんが石上に責められてる時の顔ですが、これ完全にコラ画像に使えそうな構図してますよね。
吹き出しの中の文字消して、それっぽいこと書けばなんにでも応用が利きそうなところが怖い。
ちなみに、「死にたいので帰ります」「死なないでね」の流れもそろそろクセになってきました。こんにち殺法と合わせて、中毒性のある作品ですね、ホント。
こんにち殺法
こんにち殺法!こんにち殺法返し!でもうダメだった
— シンゴ/ながれぼし (@Shingo_rock2) 2016年10月20日
あぁ^~なかよし警察さんに、こんにち殺法返し!したいんじゃ^~
— NOVICE@脱養分㌠ (@maturikaholic) 2016年10月20日
こんにち殺法!
— はばきゅん (@haba_seven_nero) 2016年10月31日
みなさん、こんにち殺法!
いやぁ、流行ってますね。流行ってますね。こんにち殺法。
さすがにコレはもう、笑いを禁じ得ない。
本当に好きです。
まあ、流行ってないんですけどね。
某まとめブログ風にみんなの思想を誘導してみようかと思いましたが、Twitterで「こんにち殺法」を検索すると関係ないツイートも合わせて20件もヒットしませんからね。
大丈夫です。私は「こんにち殺法!」って言われたら、ちゃんと求められた答えを返しますから。
夏休みの計画編
なんと4巻の感想において、ここまでかぐやの話にまったく触れていないという……。
いや、かぐや様メインの大事な話はがっつり描かれていましたが、正直それどころではないくらいに藤原さん絡みの話が面白くて面白くて。
このお話も好きでしたねぇ。
それも、笑いだけではなくて、石上が実はちゃんと白銀のことを慕っていた様子などが描かれるところが個人的にはグッときました。
しかしそこに割り込んでくる藤原さんはもう本当に藤原さん(けなしてる)。私の悪口のレパートリーに「藤原さん」が加わった瞬間である。
前々から扱いはぞんざいでしたが、この回では白銀が本気で藤原さんに対してムカついているのが見ていておかしくておかしくて仕方なかったです。
最後の最後にこんな面白いエピソードを持ってくるなんて、赤坂さんってばホントすごい。えらい。
そしていい感じに石上もキャラが立っていて良かったです。
生徒会の力関係は、意外と石上が藤原に強く出られる(無遠慮なだけとも言う。後で悔やむ)のもあって混沌な状態になっているのもいいですね。彼がいなかったらもう、誰も藤原さんを止められない……。
そんな感じで、次回も楽しみなシリーズです。
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かぐや様は告らせたい 4 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
赤坂 アカ 集英社 2017-01-19
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