「エルドライブ」1~6巻の感想。フルカラーで送られる、宇宙規模の物語。5,6巻のネタバレには注意


エルドライブ【elDLIVE】 1 (ジャンプコミックス)

天野 明 集英社 2013-12-04
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 エルドライブは2017年1月からアニメが公開予定の作品です。
 作者の天野明さんの前作は、人気作である「家庭教師ヒットマンREBORN!」。その流れを受け継いだ、少年の成長物語がエルドライブでは描かれます。

 というか、何も知らずにコミックスを読んだらビックリしました。
 なんて言ったって、全編フルカラーでしたからね。私はこの手のカラーマンガは電子書籍でしか読んだことがなかったので、とても新鮮でした。
 最初こそそこまでカラーである必要性を感じませんでしたが、宇宙のシーンが多くなってくるにつれて、カラーによる描写が活きてきたような気がします。


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1,2巻の感想

エルドライブ【elDLIVE】 1 (ジャンプコミックス)

天野 明 集英社 2013-12-04
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九ノ瀬宙太(ここのせちゅうた)の成長物語

 九ノ瀬宙太は小さい頃から幻聴が聞こえる人間で、それに返答をしてしまうことから変な人として扱われてきました。それが原因で自分に自信を持てないでいた宙太でしたが、ある日謎の生物に宇宙に連れ去られ、宇宙の平和を守るための組織、宇宙警察エルドライブに勧誘されます。
 実はエルドライブの一員だったクラスメイトの其方美鈴との衝突を繰り返しながらも、宙太は幻聴の正体であった共生体(モニタリアン)の力を引き出し、無事エルドライブの一員となることが叶います……。

 
 というのが序章で、ここから宙太はモニタリアンのドルーとともに、時に悩みながらもエルドライブとしての任務をこなしていくことになります。
 一風変わった宇宙人絡みの事件は、とてもユニークで面白かったです。

 またヒロインの其方美鈴は気の強い少女で、常に宙太に対抗心を燃やして突っかかってきます。
 単に主人公に好意を寄せるようなことはせず、むしろ普通に嫌っているようなところが一筋縄ではいかなそうです。ヒロインでありライバルでもある美鈴の存在は、この物語にピリッと刺激を与えてくれていました。
 
 
 宙太には、7年前に事故で友人を失ってしまうというトラウマがありました。
 美鈴との競争や数々の事件を通して自信を付けていき、2巻の最後にはそのトラウマを克服し、一つの決断を下した瞬間は熱いものがありましたね。
 

エルドライブ【elDLIVE】 2 (ジャンプコミックス)

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3,4巻の感想

エルドライブ【elDLIVE】 3 (ジャンプコミックス)

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美鈴の過去と、かわいい新キャラ

 2巻の最後には、美鈴が凶悪犯の脱出の手助けをしたとして捕まってしまいました。
 
 しかしそこには美鈴が過去に巻き込まれた「タクラマカン計画」の後遺症が関係していることが発覚します。そこで宙太は美鈴の疑いを晴らすため、ドクターラヴから証言を得るようと奮闘するのですが、そこには数々の困難が待っていました。ドクターラヴを狙う敵との戦いが、3巻の目玉でしたね。
 
 しかし美鈴のいない中、宙太一人で戦うのは荷が重すぎます。
 ということで、ここで助っ人として新たなキャラクターが登場するのですが、そのキャラクター二人が良い味を出していて楽しく読めましたね。

 一人は勝ち気で、美鈴にも負けないくらい宙太に突っかかってくるベロニカ。
 もう一人はそんなベロニカをなだめながらサポートしていくニノチカ。

 宙太には鬼と天使として形容された二人ですが、個人的にはニノチカが好みでしたね。このマンガの中ではあまり見かけない淑やかなキャラクターであり、さらには能力発動時にほぼ半裸という謎の特徴まで持っています。
 方やベロニカは能力発動時に角が生えるだけなのに(だけ、という程度の変化でもないが)、この差はなんだかあざといくらいです。が、そこがいい。

 
 しかし強力な仲間を得た宙太ですが、ドクターラヴを狙う敵は「人を操ることができる」という能力を持っていて、一筋縄には行きません。
 宙太が本当に死にそうになるくらいまで追い詰められる展開は、非常にドキドキでした。

 
 そして強力な敵との戦いを経て、宙太はまた一つ強くなることができ、美鈴の疑いも晴らすことができました。
 さらにドクターラブ、ベロニカ、ニノチカという新たなメンバーを仲間に迎えて、順風満帆に見えた宙太のエルドライブ生活でしたが、新たな能力を得たことでなんと「宙太のニオイがめっちゃ臭くなる」という問題が発生してまた一波乱起こってしまいます。

 パワーアップの弊害は美鈴相手にだけ宙太のニオイが臭く感じられるようになるというもの。
 ……そのせいでヒロインであるはずの美鈴からは常に鼻栓を付けたまま接されたりと、なんだか可哀想な事態に。

 2巻、3巻と宇宙人との本格的な戦いが始まっていたのに対して4巻では地球でのエピソードが多めで、また違った面白さがありました。

エルドライブ【elDLIVE】 4 (ジャンプコミックス)

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5,6巻の感想

エルドライブ【elDLIVE】 5 (ジャンプコミックス)

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一気に加速するストーリー(ネタバレ注意)

 1,2巻は宙太の成長ストーリーとして楽しめました。

 3,4巻は新キャラクターの登場で華やかになった掛け合いが面白かったです。

 そして5巻では逆さに転送されるベロニノコンビが可愛かった! というのは置いておいて、4巻の終わりに登場した犯罪者、ヘヴンサイダーたちが大いに暴れ始めてきました。
 最初は何気ないものだと思っていた事件が、後半になってきてその本当の意味が明らかになり、宙太達エルドライブに牙をむく展開にはあまりに驚かされてしまいまいた。

 4巻の地球での話のように、5巻もエルドライブでの誕生日パーティが開かれたり、まだ平和な方の話だと思っていたのです。しかし違いました。
 ヘヴンサイダーにより宇宙のいくつかの星でパンデミックが発生し、さらにそのウィルスはエルドライブにまでその脅威をを向け始めます。
 
 そして宙太を認めてくれたエルドライブのメンバーのほとんどが皆殺しにされるという展開に、思わず震え上がりました。
 これまでのほほーんとやってきた皆が、突如ウィルスによって死んでしまうという結末はまるで予想できず、愕然とするしかありませんでした。あまりの引きに、5巻を読み終わってすぐに6巻を手に取ってしまいました。
 
 6巻ではコールドスリープしていたエルドライブの課長が復活して宙太達を助けてくれるのですが、しかし彼は所長によってコールドスリープされていた人物。強力な力こそ持っているものの、その腹には一物抱えていそうな予感がします。
 仲間が死んで精神的に限界が近づいている皆に対して、宙太に平然と「ヘブンサイダーが、仲間を生き返らせる薬を持っている」という嘘をつかせていく様子には不安しか覚えません。

 
 まだ不安の種ばかりが蒔かれていますが、7巻の展開が気になります。
 敵は宙太の家の近所に集まってきました。もしかしたら、7年前の事件が何か関係してくるのかもしれません。

 7巻は今月末発売。
 楽しみにして待とうと思います。

エルドライブ【elDLIVE】 6 (ジャンプコミックス)

天野 明 集英社 2016-08-04
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by ヨメレバ

 6巻はニノチカが表紙。うん、良い。

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